静岡県天竜の山奥、自然のワインセラーで生まれた熟成日本酒
出遭いは英君蔵の望月さんによる投稿でした。面白いことを静岡県が始めたなという印象。酒は綺麗で、端正な造りをしている静岡県の酒。その仕上がりはおおよそ想像できるもの。しかし、それを敢えて熟成させて、その仕上がりにMAKUAKEでDonationして欲しいという話。それだけ酒造りの設計に自信があるのだろうと思わせてくれました。当然ながら、私もまだいただいていません。おいしい酒倶楽部で酒好きの輩と一緒に楽しんでみませんか?
◆熟成酒のプロフィール
下弦の月
【英君(ウイスキー樽)】
熟成酒の商品ラインナップが「KOHAKU」「サンロック」があり、その中でもサンロックは海外でも高い評価を得ています。今回、ウィスキー樽に貯蔵するために選んだお酒は、兵庫県産の「渡船」という酒造好適米・静岡酵母HD-101を使った純米大吟醸酒。「渡船」は、同じく酒造好適米の「雄町」の優良系統を選抜して育てたものと言われています。パイナップルのような芳香と、透明感のある軽快な甘み、キュッと引き締まる酸、キリリと清々しい苦みがどのように変化するのか楽しみです。
朧月
【英君(山廃愛山)】
山廃とは、日本酒造りの重要な工程のひとつ、酒母(しゅぼ)造りの技法のことで、伝統的な造りの1つで、「きもと造り」から派生したもの。その手法を使い、65%精米の兵庫県産の「愛山」で仕込まれた純米酒。出来上がった「愛山ノ山廃」は、蔵からの出荷時には瓶詰めされ低温にて半年ほど熟成しています。もともとのお酒の味わいは「冷やして-常温」だと、スマート&シャープな味わい。ビターなキレが鮮やかな、辛口な味わいです。「40℃前後」だと、ナッツのような熟成の香りにクリーミーなニュアンスがします。ワインセラーにて約1年15度-17度の温度帯で熟成し、シャープさが「まろやかさ」になり、複雑な味わいとともに出てくる香りも楽しみです。
上弦の月
【開運(ワイン樽)】
静岡県掛川市にある土井酒造場。平安時代は貴族の装束として、そして明治以降はその美しさで世界中の富豪、要人たちに愛された葛布。そんな歴史ある葛布が現在でも城下町である掛川には残っています。
今回、ブルゴーニュの赤ワインのオーク樽に貯蔵するために選んだお酒は葛布の原料となる葛の花という花酵母で造ったお酒。熟成期間は約1か月半ほどとなりました。先にできたお酒をフレンチ、イタリアン、和食のシェフ達に味を見て頂いたところ、高い評価を頂きました。(某シェフからは、白ワインの王様ピュレニー・モンラッシェを連想させる香りも!と評判です。)少しだけ色味がついています。もともと、上品な酸とキレのあるお酒ですが、赤ワインの果実香と酸、ほんのり樽の香りが加わり、飲んだ後の余韻を感じる奥行きのある味わいに。香りも果実香から温度が少し上がると、ナッツ系の深み。前菜~メイン、魚介~肉・ジビエ、和食、洋食、エスニックなど合わせる食事によって、表情が変わり、幅広く楽しめる新感覚の日本酒です。